喫茶店の廃墟 〜後編〜
コーヒーカップは、全てぶち撒かれていた。
ガラスも粉砕されて、風通しのいい店内。
サイフォンだけが、喫茶店らしさを今に残していた。
ちょっとビビったトイレ。
趣味が悪い・・・。
急な階段を上がって、二階にやってきた。
新品のコーヒーカップ。
布団や衣類がそのまま残されていて、それが色々な憶測を呼んだようだ。
自殺だ心中だと言われる廃墟は、たいてい夜逃げのことが多い。
威勢のいい虎。
生活道具が、そのまま残っている。
床が抜けていて、下手をすると踏み抜きそうだ。
木に囲まれた敷地、荒らされた喫茶店、放火の跡、生活道具が残された家・・・。
心霊スポットになるのが頷ける気がした。
ここに限らず、有名な廃墟を抱える地元住民や管理者は、対応に苦慮している。
こんなことを自分が主張するのもおかしいが、廃墟を訪問する際には節度ある行動を心がけたいものだ。