近未来ロープウェイ
岐阜県のある遊園地には、かつて外部から入場するためのロープウェイが存在した。
大阪万博と時を同じくして開業したロープウェイは、万博のそれと似た球状のモダンなゴンドラで、子供ばかりでなく大人も興奮した。
そんな近未来を感じさせるロープウェイに乗って遊園地に入場するのが、子供たちの憧れであり、付き添いのパパさんにとっても密かな楽しみだった。
しかし、国内の遊園地が次々と閉園に追い込まれると、この遊園地でも遊具のリストラが行われ、ロープウェイは休止された。
その後、閉園の憂き目に遭うも遊園地は復活を遂げたが、ロープウェイが再開されることはなかった。
あの憧れのロープウェイが今も残っていると聞き、TEAM酷道のとらさんと一緒に訪問することにした。
乗り場の看板もそのままになっているが、その先がえらいことになっている。
入園料とロープウェイの往復でしめて1400円。
廃れた階段を登ると、駅が見えてきた。
末期に立てられたと想われる看板。
土日祝のみの運行で、1時間に2〜3本しか運行されていなかった。
駅に入ると、いきなりゴンドラが出迎えてくれた。そうそう、これこれ!
すっかり色褪せてしまったシルバー号。
当時は未来を感じさせる乗り物だった。
今でも十分、奇抜なゴンドラといえるだろう。
ゴンドラ内部には簡易なベンチしかない。
その替わりに、つり革がぶら下がっている。
建物の中に入ると、ロープウェイのロープを巻くための装置があった。
これは、ホームの係員詰め所にあった。
危険地帯を下ってゆくとらさん。
遊園地自体は今も営業しているが、休止扱いのロープウェイは復活が不可能な状態になっていた。
いつの日か、あのロープウェイで再び遊園地に入場できる日が来ると嬉しいのだが。