シュールな落書廃墟


大きな川沿いには、空き地が広がっていることが多い。
その広大な草むらの中に、ぽつんと一つの建物が佇んでいた。





川沿いの草むらの中で異彩を放っている廃墟。
夏場ともなると、草やら虫やらで近づくことは容易ではない。



草や虫と戦いながらのも、なんとか建物にたどり着いた。



建物の正面には、廃車が放置されていた。
廃墟ではよく見る風景だ。



車の中にまで、草が生い茂っていた。



建物の中がガランとしている。
残留物も少ない。



こんな草むらの中に位置し、どういう類の建物だったか気に
なっていたのだが、こうも残留物が無くては想像できない。
これといって見所も無いな、と思っていたら・・・



柱は、なにやら廃墟には似つかわしくないデッサン調の落書きを発見した。
廃墟の落書きといえばスプレーだけに、これは珍しい。



さらに草木と闘いながら2階に上がってみた。
タイムカード入れが残されているだけで、やはり手がかりはない。






そして、ここにもシュールな落書きが。
何か絵の勉強で描いたような印象を受ける。
通常の、荒らす人たちの書く絵とは一線を画している。



存在感の薄い、優しく細い線のタッチなのだが、これはこれで何か不気味。



開いていた窓の隙間に、ちょうど目線が合っていました。
描いた人が狙ってやったことなのかどうか。



結局、最後まで何の廃墟かわからなかった。
服はくっつき虫だらけで、手の甲や顔などを蚊に十ヶ所ほどやられた。
家に帰るまでに痕跡を消すのが大変だ。
その後、可能な範囲で調べてみたものの、やはり分からずじまい。
大した廃墟じゃないのだが、こうなってくると気になる・・・。