恵比寿鉱山


久しぶりに東濃まで足を伸ばしたので、恵比寿鉱山に寄ってみた。
鉱石マニアにはよく知られた鉱山らしい。
遺跡のようにほんの一部だけが残っていた。
この付近には、他にも幾つかの鉱山跡が点在しているが、さらに残存物が少ないため、割愛した。





県道を離れて山の方に向かって行くと、それらしい場所に出た。









鉱山施設は、壁の一部だけがかろうじて残っている。



同じく、選鉱施設(?)の基礎。



これは選鉱か破砕用の機械だろうか。
たまたま残っていたのではなく、モニュメントとして残されていた。



これもモニュメント。モーターだろうか。






唯一建物として残っているのが、ここだった。
何やら大型の機械がビニールシートに覆われている。



階段はこんな状態だし、あまり面白く無さそうなので引き上げた。



ここの唯一の見所といえば、この壁ぐらいだろうか。



閉山してから年月が経過しているためか、殆ど面影は残っていなかった。
元々小規模な鉱山だったのだろう。
こうした小規模な鉱山は、全国にたくさんあった。
歴史の浅い炭鉱に比べ、金属鉱山は実に歴史が長く、奥が深い。
大戦以前に閉山した鉱山は、全く記録に残っていないことが多く、坑道だけが今もどこかに眠っている。
「廃墟」と呼べる建物が現存するのは、閉山からせいぜい20〜30年。
半世紀もすれば、倒壊し、朽ち果て、建物の基礎を含めて一切の痕跡が消え去っていることが殆どだ。
数十年後の日本に、「鉱山廃墟」が存在し得るとは、思えない。
だから鉱山や炭鉱は、ホテルや一般工場の廃墟に比べて、文化遺産的な意味合いを持つように思う。
先人が築いてきた文明の礎に、こうして触れてみるのも悪くない。
写真撮影がメインの人には面白くない廃墟だが、触れて感じるにはいい廃墟だった。