軍艦島 〜その4〜







炭鉱のベルトコンベヤー跡。
まるで遺跡のよう。








春先に行ったため、ちょうど花が咲いていた。
この日は、絶好の廃墟日和になった。









灯台からの眺め。
我々は、ここで用意してきた弁当を開いた。
まるで異空間のような、非現実的な風景を見下ろして、おにぎりを食べた。
上陸して以来、夢中で歩き回っていた我々が、はじめて腰を落ち着けた。
じっくりと座って弁当を食べていると、また違った趣が感じられる。
食事という人類普遍の習慣によって、当時の島の生活がリアルに感じられたせいかもしれない。






小学校の入り口にある張り紙。



小学校からは、島が見渡せた。



反対側は、海が見える。
昭和初期でこんなに高層の学校は他になかっただろう。
さぞかし眺めの良い学校だったことだろう。



学校の裏手にある建物も、基礎が波による侵食を受けていた。



この住宅の張り出し部分も、いつ崩壊してもおかしくない。



帰りの時間となり、我々は軍艦島に名残りを惜しみつつ、フェリーに飛び乗った。
このわずか数時間の間で、自分の価値観というか、世界観が変わった気がした。
この島は、廃墟という言葉では括りきれない場所だと、改めて思った。


〜完〜