神岡鉱山 跡津鉱区


この日も、Kamui氏と二人で神岡を訪れた。
ここのところ、2週に1度のペースで神岡に来ている。
高速道路会社の売上に、随分と貢献している。
もう雪の季節に入るため、前回の訪問時に今年の「神岡おさめ」をしていた。
今回は鉱山に来ることが目的ではなく、行きつけの喫茶店と奥飛騨温泉に行くためだった。
しかし、いつもの喫茶店でコーヒーを飲んでいると、やっぱりヤマに行きたくなる。
ということで、喫茶店で今日の予定を打ち合わせ、まずは跡津鉱区へ行ってみることにした。




ここ跡津坑は、ノーベル賞を受賞した宇宙線ニュートリノ研究施設
「スーパーカミオカンデ」として再利用されていることで有名だ。



この確認表によると、現在、東北大の2名の研究者が入坑している。
当然、関係者以外は入る事ができない。
年に一度開催される「ジオスペースアドベンチャー」の一般公募を除いて。



入り口付近には神岡鉱業の事務所もある。
経営母体は神岡鉱業から三井金属に変わったが、
神岡鉱業の会社もまだ残っているようだ。
ここは見るだけなので、集落の方へと引き返す。



坑口の近くには、必ず集落があった。
ここ跡津の集落は国道からほど近いため、廃村にはなっていない。
しかし、廃鉱になれば当然集落も人が減り、廃れてゆく。
現役の住居と廃墟が点在している。


人のいなくなった鉱山住宅の一つに目を付ける。
Kamui氏を車に残し、ここにお邪魔した。






この長屋には5、6世帯が暮らしていたようだ。
家財道具は無かったが、畳の部屋の壁にシールの痕があったりする。
家族連れが暮らしていたのかな?などと想像する。






炊事場は共同で、釜戸になっていた。
鉱山住宅としては、結構スタンダードな造りだろう。



窓からは、雪で反射した光が入ってくる。
廃墟にいるのに、ほのぼのと穏やかな気持ちになれる。
それは、ある家族が過ごした温かい暮らしの痕跡によるものだろうか。