神岡鉱山 南平地区鉱山住宅


栃洞地区から少し山を下った場所に位置する南平地区。
かつて、神岡鉱山に従事する人とその家族の住む住居が密集し、集落を形成していた。
現在では、数えるほどの世帯しか生活していない。
長屋の多くは解体されたり、雪の重みで倒壊して姿を消してしまった。
しかし、現存する長屋もあり、栃洞探索に出かけた折には目にすることになる。
今回、その前平地区に現存する鉱山長屋をメインに、訪問した。






木造の鉱山住宅が密集する地区の入口には、火の見櫓が残っていた。



平屋の鉱山住宅が連なっている。
それぞれ「1●●号棟」と書かれている。



内部は、他の鉱区ともほぼ共通の、標準的な造りになっている。



「病気見舞いのお返しは礼状で」
鉱山だけに、色々な事を想像してしまう。



木製の消火器箱。



屋根の一部が朽ち、光が差していた。



途中から、完全に崩壊している。
ちなみに足元もぬかるんでいて、歩きにくい。



何かを誓っている家。目立たせる為の赤字が逆効果になっている。
この扉、なぜ「くの字」になっているのかというと、上からの重みで。
そう、天井がそれだけ下がっていて、建物自体が倒壊しかかっている。



ジュースの空き瓶は、ツイスト!



蜘蛛の巣が張った窓からは、優しい光が差し込んでくる。
廃墟に行くと、必ずといっていいほど蜘蛛の巣に引っかかる・・・



障子も屋根の重みでへしゃげ、植物が侵入してきている。
しばらくすれば、完全に倒壊する日が来るだろう。
かつて栄えた鉱山の社宅。ゆっくりと自然に還りつつあった。