神岡鉱山 下之本鉱区を求めて 〜後編〜







ここで、地図上にはない分岐が出現。



直進方向は、造成中と思われる立派なダートの林道。



かたや左方向は、急斜面を登るガタガタでボコボコのダート・・・
進みたいのは激しく直進方向なのだが、地図は明らかにこちらを指し示している。



どう考えたってフィットでは不向きな道を相当進んできた。
にも関わらず、目の前には無常のチェーンゲート・・・
本当に、げんなりだ。歩いて進むには、まだ距離があり過ぎる。
この先には、どうしても行けないらしい。
二輪持ってる人に頼んで連れて行ってもらうぐらいしか、手が無いだろう。



あの先が、非常に気になる。
地図では、終点付近に神社の記号があった。
後ろ髪引かれる思いで、来た道を引き返す。
買ったばかりの車には、本当に酷な道だった・・・



気分を変えて、集落の方へ足を運んだ。
このあたりの景色は、とても特徴がある。
山間の平地、何も無い草むらの中に民家が点在している。
そして、道沿いではない草むらの中に電柱が建ち並んでいる。



今では珍しい木製の電柱。
「発砲禁止」の看板が味を出している。



ここはもう、現在の地名では下之本から離れている。



立派な民家が、廃墟と化していた。
近年の大雪により破壊され、廃墟化したのだろう。



ここが、県道の終点でもあった。



大規模林道より現在の下之本の集落を見下ろす。



歳月の流れは、色々なものを洗い流す。
今回、鉱山の面影を見つけることは殆ど出来なかった。
形あるものいつかは壊れる。
そして、自然に還ってゆく。
日本に残る鉱山の痕跡も、いつか完全に消滅する日が来るだろう。
国内で鉱業が行われていたなんて、信じられない世代が現れるかもしれない。
その日まで、私は鉱山の残骸を見守り続けたいと思う。



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