神岡鉱山 栃洞鉱区2004秋


あれからちょうど半年。

新潟からの帰り道、神岡鉱山へと立ち寄った。

前回と同じメンバー、隊員の総裁と二人で。

再訪の理由は、あの時迫って来たトロッコはなんだったのか。

その謎に迫るためである。





またしても早朝。しかし、今日は平日だ。

慎重に歩を進める。

坑道のその先を目指しているため、前回とは違って鉱山住宅側からアプローチを試みる。

鉱山住宅を抜けてずっと直進すると、工事現場に出た。

ここまで来ると、坑道と無関係なので引き返す。




鉱山住宅の近くまで戻ると、この建物がある。

前回も来ているので、見覚えがある。

よーくみると、近傍に真新しい電柱が立っていて、電線が中へと続いている。

建物の中からは、モーターのような音が聞こえている。

位置的にいっても、これは何かの手がかりになるかもしれない。

この付近を捜索した。







すると、建物から斜面の下に、コンクリートが口を開けていた。

あまり期待はせず、近寄ってみる。







内部には水も流れている。

コンクリートは新しく、装置は全て稼動している。

全身に緊張が走る。




その先には・・・

あった!トロッコの軌道だ!




この状況では、いつ工事関係者が来てもおかしくない。

我々に与えられた時間はわずかだったが、大きな収穫だった。

坑道の入り口側を見ると、崩壊しているのが見えた。




足元にはトラップがある。

落とし穴に落ちないように気をつけて、反対方向を見た。




軌道は、ここから本格的に山に潜っていたのだ。

廃墟としてよく紹介されている坑道は、地上の部分だけだ。

なぜなら、地下の坑道は、今なお現役で採掘されているからだ。

調査なのか、鉱物標本の試掘なのか定かではないが、現役で稼動していることは間違いない。



あの崩壊地点こそが、廃墟と現役の境界線だった。

廃墟探索時においては、超えてはならない禁断のポイントだ。

多くの発見に様々な思いが交錯する中、我々は早々に撤収した。




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