神岡鉱山 栃洞鉱区'2006春 〜3〜
軌道まで戻ってきた。この先へ進むのは不可能と思われた。
しかし、せっかく遠方から来ていただいたのに、あの有名な板張りのビューポイントを見られないのは残念だろう。
崩壊した屋根に上り、様子をうかがう。何とか越えられそうな箇所を発見し、「行ける」と合図を送る。
いつも手ぶらで作業着・ヘルメットの我々TEAM酷道は大丈夫だが、
三脚まで装備しているハム太郎さんには難儀な道のりだったかもしれない。
TEAM酷道実習生の総裁が、ハム太郎氏をエスコートする。
やっとのことで、例のポイントに到着。
この上を歩くのは、今までの瓦礫の中を歩く以上に危ない。
反対側からのアプローチも、このとおり。
昨年の冬前には普通に通れた道が、今はこの有様だ。
ここはさすがに越えられず、引き返すよりほか無い。
ここに来ることは、事実上不可能に近い。
我々も、今回はかなり頑張って進んできた。
軌道を引き返し、住宅群にやってきた。
絡みついた藤の枝には花が付き、春を感じさせる。
ここ神岡では、春の訪れが遅いのだ。
帰り際に、体育館と会館にも寄ってみた。
一応、来たからには全部拾っておいた方がいいだろう。
それにしても、この1冬での崩壊ぶりは凄まじい。
大雪だったとはいえ、これじゃあ昨年の取り壊し工事よりもひどい。
もうトロッコ軌道を歩いて探索することは不可能になってしまった。
また、選鉱に降りてゆく途中にある施設も、もう寿命は短い。
ここ栃洞は、あと数年もすれば住宅以外の見所は消滅してしまうだろう。
下手すれば、数年もかからないかもしれない。
廃墟の命は短いんだということを、改めて思い知らされた。
栃洞をあとにして、今日はもう1ヶ所、大津山地区へと向かった。
しかし・・・
この続きは、跡津地区で!
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