神岡鉱山 漆山地区 3/3
登り続けて2時間半、ようやく物語はフィナーレへ!
いよいよ目的の地に到達したようだ。
ようやく道は道らしくなり、勾配もなだらかになった。
こうして広がる平地は、90年前までは鉱山施設だったのだろう。
今となっては、ただの草原にしか見えないが、地形的には不自然だ。
数段の苔むした石垣が、数少ない人工物だ。
土中に埋もれた碍子を見つけた。
なるで湿原の遊歩道であるかのような通路を歩く。
小川に沿った道を歩いていると、何かを奉っているような場所があった。
そこから階段が伸びていた。
苔で滑り落ちそうになりながら、崩れかけた階段を上る。
ここにはかつて、神社があったようだ。
こんな山奥に神社がったというのは、鉱山があったからだろう。
鉱山あるところに、神社がある。
傾いた木製の電柱が1本、緑の中に佇んでいた。
小川の心地よいせせらぎを眺めながら、しばし休憩。
ここまで辿り着くのに予想以上の時間を要したため、すぐに下山しなければならない。
上りに比べたら、半分以下の時間で下りられるだろうと予想。
時間もないため、駆け足で麓に向かった。
かつては巨大鉱山として栄えたこの地。
多くの鉱山施設と飯場(はんば)が建てられ、賑わっていた。
閉山から90年が経った今、その面影はない。
開けた平地や苔むした石垣、1本の電柱だけがわずかに痕跡を残していた。
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