金生山の石灰3/3





こうした建造物が、民家のすぐ裏にあったりする。



建物の上部から、石灰石を投入していたようだ。
とりあえず上に登って確かめてみよう。



建物の上部へと続く石灰石の川。
山の上から、ずっと続いている。
今にも流れ落ちてきそうな感じだ。



上に何かありそうな予感がしたので、とりあえず登ってみよう。
石灰石のなだれを起こしては洒落にならないので、慎重に登る。



山の中腹に、今となっては石灰か砂か分かりにくいが、そんなのが出てくる装置があった。



そして川から少し外れた所に、怪しげな影が・・・



廃鉱山で坑道の坑口を見つけると、嬉しい。



金生山で坑道掘りをしていたのは、随分と前の話。
年季が入っているし、その時のものだろうか。



さらに新しく大きな坑口を発見した。



しかし、なぜ金生山に新しい感じの坑道があるのだろうか。
戦後、すかし掘り(※)は行われていたが、そんな坑道が残っている筈がない。
※すかし掘:残柱だけを残して山の向こうが透けて見えるほど縦横に掘削し、
大規模な発破で残柱を爆破、その上にある山を根こそぎ鉱石として回収する採掘方法。



さらに、こんな山の上部に軌道敷を発見!



軌道の先は、空中に向かっている。



おそらく、ここから索道(ゴンドラ)で山の下まで運ばれていたのだろう。



数百年の歴史がある金生山の石灰石。
その歴史は、決して輝かしいだけのものではなく、浮き沈みを繰り返している。
戦後になって目ざましい発展を遂げ、産出量は飛躍的に増加した。
しかしその反面、以後数千年にわたって子々孫々まで石灰石で食っていけると言われた金生山が、大規模な露天掘によってみるみる姿を変えていった。
現在、あと数十年もすればすっかり山が無くなってしまうと、予想されている。
石灰石は、日本で唯一自給可能な鉱資源と言われているだけに、他の鉱山も他人事ではないだろう。
10年後、20年後の金生山は、我々にどのような姿を見せてくれるだろうか。