奔別炭鉱 2/2
階段で2階に上がると、巻き上げ機のコントロール・ルームがあった。
こういうのを見ると、真っ先に操縦席に行ってしまう。
正面には、ワイヤーを巻き上げる巨大な滑車が見える、
関係各所と連絡を取りながら、操作を行う。
半径だけで軽く身長を超える巨大な滑車。
ワイヤーは櫓へと続いている。
巻き上げ機は電気を動力源にしていて、ちょっとした受電設備もあった。
一度1階に下りて、櫓に向かう。
立坑櫓の真下に来た!
高さ50メートルを超える立坑櫓は、当時、東洋一と言われていた。
櫓の下では、トロッコのレールが大きく歪んでいた。
閉山に伴う立坑の閉塞作業中に、死傷者を出す爆発事故が発生した。
爆発事故の生々しい痕跡が、今も残っている。
緑が浸食しつつあるコンクリートの隙間から、外に戻った。
タワーのようにそびえる立坑櫓。
大きく掲げられた「奔別」の文字が誇らしげだった。
今回、北海道に初上陸し、炭鉱跡を巡る計画だった。
「北海道は広い」という漠然としたイメージだけで計画を立てていたが、実際に訪れてみると意外と小さかった。
幌内と奔別で半日はかかると見込んでいたが、現在の時刻は午前8時。
朝4時から動いているということもあるが、北海道の広さを過大評価していたようだ。
予定を前倒しして、さらに炭鉱跡を訪れることにした。
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