白滝鉱山 1/3
高知県内唯一ともいえる鉱山跡。
高知県の北部、愛媛県にほど近い場所に、その鉱山はあった。
土佐藩が開坑して以来、300年近くにわたって銅山として栄えたが、国内の他の金属鉱山と同じく、1972年に閉山した。
まず最初に見えてきたのが、この浴場だ。
とらさんは車で待機。
激しい藪をナタで切り開きながらゆっくりと近づく。
そして、中が見えてきた。
藪を越えなければ決して見ることのできなかった浴槽だ。
鉱山といえば巨大な選鉱・精錬等の工場群を思い浮かべるが、浴場も決して切り離して考えることの出来ない大きな存在だ。
鉱山の男たちにとって、日常での唯一の娯楽の場であり、憩いの場だった。
大きな鉱山ほど多くの浴場があるし、浴場も階級や職場によって分けられていたという歴史もある。
木造の階段は朽ち果てていた。
湯船に浸かり、ふと見上げると蒸気を逃がす天窓がいい感じだ。
この天窓が、外観にも大きなアクセントを加えている。
閉山から40年とあって、この浴場も今にも倒壊してしまいそうだ。
ブザーによる湯の合図が、とても鉱山らしい。
インクラインや坑内エレベーターの巻き上げ係のようだ。
閉山から40年、こうして残っている建物は本当に少ない。
次に、かつての小学校跡を利用した観光施設「自然王国 白滝の里」に向かった。
白滝鉱山2/3 へつづく