旧東青山駅(2017年)
月日は百代の過客にして、行き交う年もまた旅人なり。
近鉄大阪線、旧東青山駅の雰囲気が好きで、これまでに幾度となく訪れている。
しかし、気がつけば、ホームページの内容は2004年で停止していた。
デジカメが世に出る前、全てフィルムカメラで撮影し、紙焼きプリントをスキャンしてホームページを作っていた頃のものだ。
これではいかんと思い、最新の2017年時点の様子をお伝えしたい。
2017年は3回ほど訪問したので、それをまとめて。
まずは1月。この時はテレビのロケで訪れた。
ロケに同行したのは、コントで一世を風靡する「かまいたち」のお二人。
ロケ後、バスに戻るまでの間一緒に歩いていて、色々な話が出来て面白かった。
10年ほど前と比べて、ホームの周りが非常にスッキリしている。
これは、数年前に工事の関係で重機が入り、樹木を伐採したためだ。
ホームは中ほどで途切れて、小規模な堰が建設されている。
季節が変わって5月。
探索するのは、なかなかよい気候だ。
草木が茂っていないのが、逆に残念な感じだ。
今度は11月。久々に事故のあった総谷トンネルの方にも来てみた。
トンネルの内部には、鉄道の痕跡が色濃く残っている。
そして、入口付近には、事故の痕跡も生々しく残る。
猛スピードで脱線・転覆した状態でトンネルに突入、対向列車と正面衝突した列車が側壁に残した傷だ。
今でも遺族の方が献花に訪れているので、興味半分で訪れるような場所ではない。
手を合わせて犠牲者のご冥福をお祈りし、いつもの旧東青山駅へと向かった。
すっかり秋らしくなってきた。
ここを訪れる時の正装はスーツ。
当時の通勤客の心情に迫ろうとする時、同じ服装、同じ格好をすると入りやすい。
そして、ここから山へ入ろうとしていたので、通勤鞄からナタを取り出す。
この時、なぜか笑顔になっていたようで、同行者から「笑顔が怖すぎる」という指摘を受けた。
売店の脇から、山に入る。駅が現役だった当時は、ハイキングコースだった道だ。
少し登ったところに、神社があった。
コンクリートで適当に作った感じの狛犬が特徴的。
さらに、険しい道のりを登ってゆく。
スーツなので、当然、このようになる。
はたから見れば、かなり危ない後ろ姿だ。
寄り道しながら登ること30分ほどで、目的の広場に到着した。
かつてはここに売店があったようだが、今となっては瓦礫が散乱するのみだ。
その瓦礫の中に、廃線を示す重大な手がかりが残されていた。
駅の移転と、それに伴うハイキングコース変更のお知らせだ。
今となっては、廃線を直接示す唯一の生き証人ともいえるだろう。
この場所には今後も訪れると思うので、また忘れたころに更新したい。
※旧東青山駅は近畿日本鉄道が所有・管理しており、立て札等はありませんが、立入禁止になっていると近鉄広報の方がおっしゃっていました。
個人が趣味で訪れる程度は容認されているようですが、公式な撮影・立ち入りには許可が必要で、有料となっています。ご注意下さい。