ホテル○里


岐阜県にもラブホテルの廃墟は幾つかあるが、今まで一つも紹介していないことに気付いた。
ラインホテルや宝石等、今となっては半分取り壊されていたり、バリケードが築かれて入れなくなっている。
そんな廃墟を、昔に撮った画像を使って今さら紹介したくはない。
せめて公開時だけでも、今現在の廃墟と全く同じ状態で、ご紹介したい。
それで今回、久々にラブホテル廃墟「ホテル○里」を訪ねてみた。




廃墟として年季が入っているため、夏場は緑に覆われている。
長袖長ズボンでないと、廃墟に行き着くまでに、色んな虫にやられ放題だ。



1室ごとに建物が分割されていて、1階が駐車場で2階に客室がある。
地方に行くと、こんなシステムのホテルがまだまだ多く残っている。



廃墟になってかなりの年月が経っているため、今となっては到底車でここまで入れない。



宿泊5000円、休前日でも5500円。
かなりリーズナブルな料金設定。



1室ごとに建物がそれぞれセパレートされているが、1階の裏の通路で全て?がっていた。
清算したり、ルームサービスを運ぶためだろう。



客室には和室と洋室があった。
和室の畳敷きの部屋に、なぜかこんなモダンでエロチックなガラスが・・・。



雨漏りによって畳が腐り、床が抜けそうになっていた。



なんとも安っぽい純金風呂。



パルテノン神殿を思わせる洋室。
実はこの部屋に入ろうと階段を上っていた時、何か物音が聞こえた。
階段にもカマドウマ(通称「便所コオロギ」と呼ばれるちょっと気味悪い虫)
が大量発生していたため、それに気をとられていて、それどころではなかった。



この部屋は雨漏りもなく、他のどの部屋よりも状態が良かった。



生々しい欲望の痕跡が。
そういえば、こんなデザインの腕時計をした人を見たことが あったので、それを思い出して一人でニヤニヤしていた。
後から思えば、こんなところでニヤニヤしてる場合ではなかったのだが。



部屋の奥にある浴室へ。どんどん核心に近づいていた。
立派な向日葵を見て、隣のトイレに向かう。
トイレの中から物音が聞こえた気がした。
一人で探索していたため、一瞬動きを止めて耳を澄ませる。
「何の音かな」とビクビクしながらトイレのドアノブに手をかけた瞬間、中から人の咳払いが!
私はそっとドアノブから手を離し、ジリジリと後ずさりしながら部屋を出た。
あんなに気になっていたカマドウマの大群も、全く気にならなかった。
いや〜びっくりした。まさか人がいたとは。
私が階段を上ってくる音を聞いて、トイレに隠れたのだろう。
気の小さい人で良かったが、咳払いを聞いた時は、どうしようかと思った。



追いかけてきたりしそうにないので、気を取り直して探索を続行。



事務所や管理人質は荒らされ放題。



そして、管理人等の居住スペースには、大手新興宗教法人「天○教」のハッピが複数落ちていた。



この廃墟には、カマドウマが大量に生息していた。
何ら実害は無いのだが、あの風貌は、苦手な人にはたまらないだろう。
そして、人も生息しているようだ。
階段への入り口に障害物が置いてあったりバリケードが築かれている時は、「住民」がいる可能性がある。
住民のためにも、自分自身のためにも、十分な配慮が必要だ。