エロ本小屋、終結 2/2






あれから数日が経ち、朝7時に終結した我々は、現場へと向かった。



現場となったエロ本小屋の前には、既に花束が残されていた。
親族か、警察関係者か。せめて、前者であって欲しいと願う。



彼は2ヶ月ほど前から、エロ本小屋周辺に留まる事が多くなった。
そして、1ヶ月ほど前から車を移動させなくなり、車上生活が始まった。
車から降りた彼はエロ本小屋に向かって歩き、小屋の前で横たわり亡くなっていた。
亡くなる3日前には、生前の彼の姿を隊員が目撃していた。



花を手向け、線香と大福もち、ジュースを供えて第一発見者となった隊員とともに手を合わせる。



まさか、こんなことになるとは夢にも思っていなかった。
「先週、声をかけていたら、ひょっとして・・・」
第一発見者となった隊員の言葉には、悔しさが滲んでいた。



車は既に撤去されていた。
1ヶ月間ここから動いていないってことは、その間、彼は何も食べていなかったのだろう。




集まったメンバー一堂で、心からのご冥福を祈った。
とりあえず、本日をもってエロ本小屋を含むエロ山の探索は、最後にしようと思う。
今まで散々観察してきたので、これからはそっとしておいてあげたい。
隊員の一人は、彼とすっかり打ち解けていたので、本当に残念な結末になった。
第一発見者の隊員が言った「僕が発見してよかったと思っています。」の一言に、救われる気がした。


※5年間の長きに渡り、エロ本小屋及び周辺山林を観察してきましたが、これで終了に致します。
長らくお付き合いいただきまして、本当にありがとうごいざいました。
                                           よごれん