産地最大の染色工場 3/5
巨大な乾燥機が現れた。
1階に機械類は殆ど残っておらず、2階にだけ残っているのは、恐らく残務整理の際に運び出せなかったのだろう。
2階の、それも隅の建物に乾燥機があるというのは、生地の流れからすると少し不自然だ。
水害が多かったため、高価な機械類を2階に置いたのではないかと推測される。
こうした年季の入った配電盤や電気設備を見る度に、電気マニアの友人のことを思い出し、つい撮ってしまう。
1階に下りてきた。
2階から見えた、赤い屋根の建物。中はがらんどうだ。
何も無いだけに、余計に広く感じる。
さらに反時計回りで探索を進める。
染料か仕上げ剤を調合するためのタンクと攪拌機があった。
染料が入っていたと思われる空き容器が大量に転がっている。
ここにきて、中身が入ったままの段ボールがぎっしり。
仕上がった製品や、受け入れた生地だったら、債務の変わりに回収されたり
売却されたりしているだろうから、お金にならなかった物品の山だろう。
散乱している紙くずをよく見たら、詳細な日報だった。
それにしても、廃墟だらけ。
道路を隔てた向かい側の建物は、時間の関係でこの1枚だけで終了。
産地最大の工場 4/5 へつづく
魅惑の廃墟のページへもどる