離島の小中学校 3/3
壊れたトランペット。
何らかの動物の死骸もあった。
確かに。
中学校の窓からは、精錬所の煙突が見えた。
完全に壁がなくなっている教室もあった。
なんとも不思議で現実離れした光景だ。
木造校舎の傷みが激しい。
あと何年、持ちこたえられるだろうか。
児童が書いたのだろうか、現役当事の精錬所を描いた作品が掲示されていた。
学校から少しだけ離れた場所に、25メートルプールがあった。
ここまで泳ぎに来ていたのだろうか。
離島の廃校というのは、本土とはまた違った雰囲気がある。
自然による崩壊のみで、人為的な破壊行為を一切受けていないのも、この島の厳重さゆえ。
大切に管理され、廃墟が現存する時間は長くなるが、早いか遅いかの問題であって、いずれは失われてしまうだろう。
こうした廃校の光景を、自分の眼にしっかりと焼き付けておこうと思った。
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