●「TEAM廃墟」とは
「TEAM廃墟」は、「TEAM酷道」から生まれました。
そもそも、酷道303号線の沿線で土倉鉱山跡を発見したのがきっかけで、廃墟の虜になりました。
そして、幾つかの廃墟を探索しては「TEAM酷道」のHPで公開していたのですが、容量の関係もあって、廃墟をセパレートしました。
だから、「TEAM廃墟」という、いまいちしっくりこないネーミングになってます。
そんな流れですので、いわゆる「廃墟サイト」を作ろうとして作った訳でも、意識して作った訳でもありません。
だから、写真集や他サイトで取り上げられている有名な廃墟を訪ね歩く、というスタイルでもありません。
むしろ、他で多く取り上げられている廃墟は今さら紹介する必要も無いので、わざと外しています。
地元・岐阜県を中心に廃墟を捜し歩き、味のある廃墟をご紹介できれば、と思っています。
色々な廃墟を訪ねて、廃墟の魅力は知名度や規模の大小ではないことが、よく分かりました。
また、「TEAM廃墟」の特徴の一つとしては、重複訪問でしょうか。
一度行った廃墟でも、気に入ったら二度三度、十度二十度と通います。
大きな廃墟だとどうしても見落とした箇所があったり、家に帰ってから調べて判明した新事実を確認しに行ったりと、理由は様々です。
実体験を通しての発見は本当に興味深く、新たなる発見を求めてワクワクするし、知的好奇心を満たしてくれます。
日本には四季がありますので、季節折々顔を変化させる廃墟を見に行くのも、楽しみの一つです。
我々の活動方針は、来るもの拒まず自ら追わずです。どなたかと一緒に探索する際、こちらからお願いするケースはまずありません。
なぜなら、廃墟の趣味に限っては、殆ど岐阜県から出ないからです。
もちろん、普段は全国各地を旅していますが、近所で色んな廃墟に出会うというのが、私の廃墟の楽しみ方なのです。
そして、岐阜県やその周辺に足をお運びいただき、一緒に廃墟に行きたいという奇特方がいらっしゃれば、極力ご同行させていただきます。
ローカルであることをモットーに活動してますので、どなた様でも大歓迎です。
神岡鉱山栃洞にて
●廃墟探索にあたって
廃墟を訪れる際は、酷道以上に最大限周囲に気を配っています。
例えば、廃墟はとても脆く、故意でなくても破損させてしまう恐れがあります。
そのため、これでもかというぐらい、慎重に探索しています。これが、自らの身をも守る結果にもなります。
また、誰にも見つからずに侵入し、誰にも見つからずに撤収する、一切の痕跡を残さないというのが、我々の美学です。
ドアの開いていた角度も、正確に元に戻して撤収します。足跡も、なるべく残さないように歩きます。
真夏でも軍手をしているのは、手を保護する目的だけではなく、指紋をも残さないという気持ちの表われです。
そこまで慎重に行動していても、街中や主要道路沿いの廃墟では、人に見られてしまうこともあるでしょう。
そのため、外見・服装・人数にも気を配っています。派手な格好で人数が多ければ、近隣住民が感じる不快感は高くなるでしょう。
廃墟潜入時には、状況に応じて作業着やスーツを着用しています。
スーツにヘルメットだったり、作業着にヘルメットでまとめてみたり。
そして、目立たないように8割方一人で探索しています。単に仲間がいないだけという話もありますが・・・。
「スーツなんかじゃ(物理的に)危ないんじゃないか」という意見があるかもしれません。そりゃ、少しは危ないかもしれません。
しかし、趣味で廃墟を探索して、近隣住民に不快感やご迷惑をかけてしまう状況は、絶対に避けたいのです。
なお、作業着は当然ですが、意外にスーツも作業性と身体保護に優れていて、下手な服よりかは身を守ってくれます。
作業着に長靴というスタイルは、本当に動きやすいです。鉱山廃墟を探索する時なんかは、山に入る感覚でやってます。
作業着に長靴、一度やったらやめられません。特に薮こぎする時なんて最高です!
神岡鉱山大津山にて
●廃墟と鉱山
そうして多くの廃墟を訪ねているうちに、廃墟の中にも一つの大きなジャンルがあることに気付きます。それは、鉱山です。
国内鉱業の栄枯盛衰をかんがみれば、廃墟カテゴリーの中で廃鉱が一つのジャンルを形成することが想像できます。
今現在、国内で操業している鉱山はピーク時の一割以下です。多くの鉱山廃墟は、今が見頃です。
あと数十年もすれば、殆どの鉱山廃墟は完全に自然に還っていることでしょう。まさに「今が旬」と言えます。
今だけしか見ることの出来ない鉱山廃墟をなるべく多く訪問し、心とフィルムに記録したいと考えています。
また、鉱業は他の業種と比べて規模が大きく、鉱山を中心に一つの集落や街が栄えていたりします。閉山すれば、街と山がまるごと巨大な廃墟となります。
そして、都会から遠く人里離れた場所にあることがほとんどで、取り壊されることも人為的に破壊されることもなく、ひっそりと自然に還りつつあるのです。
そこには、ゆっくりとした時が流れています。自然と同化してゆく人為物、当時の過酷な労働を偲ばせる坑道、家族の温もりが感じられる鉱山住宅・・・。
私が鉱山廃墟に特に魅力を感じるのは、こうした様々な要素が凝縮されていることと、単に山が好きだからです。
ただ、廃鉱、特に廃坑を訪れるにはそれなりにリスクが高くなるので入念な準備が必要です。
●HPについて
見ていただければ分かると思いますが、TEAM酷道と同様非常にしょぼいつくりです。
平日は仕事をしていて時間がないし、休日は基本家族サービスです。その合間に何とか時間を見つけて、たまに廃墟に出かけています。
そう、HP作ってる時間があったら廃墟に行きます!HPに時間をかけて凝った作りにする気は一切ありません。面倒くさいんです。というわけで、いつまで経ってもこのままです。
また、画像についてですが、私は写真を撮るために廃墟に行くのではありません。廃墟に行きたいから行くのです。
そして、魅力的な廃墟を少しでも多くの人に紹介したいために写真を撮ります。
写真は、あくまでも探索の副産物であり、目的ではありません。ですので、廃墟に行っても一切撮影しないこともあります。
廃墟の写真をHPで公開するのは、自分の撮った写真を見てもらいたいからではなく、その廃墟を知ってもらいたい、あわよくば廃墟に魅力を感じてもらいたいからです。
主役は画像ではなく、あくまでも廃墟そのものです。
そんなことで、私は暗い廃墟内でも絶対に三脚なんか使いません。手持ちでサッと撮るだけです。
廃墟内は往々にして暗いことが多いのですが、息を止めてしっかりホールディングすれば、シャッタースピード1/5秒ぐらいまでなら手ぶれせずに十分撮れます。
、画像はクオリティーよりも臨場感を重視しています。
最近、「廃墟美」を強調する写真集が多く出版されています。でも、廃墟って必ずしも美しい物とは限りません。
写真は現実の一部を切り取ったものですので、決してそれだけが現実ではありません。写真は、表現方法一つで汚くも美しくも出来るのです。
私としては「芸術写真」ではなく「記録写真」を通して、より現実に近い「リアルな廃墟」を感じていただければ、と思っています。
旧東青山駅にて
●廃墟の名称と所在地情報について
現在「TEAM廃墟」HPでは、名称は全部・一部のみ・伏字のパターンがあり、所在地情報については掲載していません。
名称を全部載せている場合は正式名称ではなく、通称名だったり、屋号(企業名)ではなく地名+鉱山というようにしています。
ただし、一部例外もあります。産業の根幹に関わる廃墟で、その廃墟の本質に迫る際、どうしても正式名称の記述が不可避である場合のみ、実際の呼称で掲載しています。
もしもこのHPを見る人みんなが廃墟を好きな人たちだけであるならば、名称を伏せる必要は無いし、所在地情報もオープンにします。
ただ、ネットである以上、現段階では不可能だと判断しています。
破壊目的で廃墟に行く人や、近隣住民に迷惑となる行動を平然と行う人もいます。
同じ趣味の者同士なるべく情報を共有し合いたいというのが私の基本的な考え方ですから、そうしたジレンマは常に抱いています。
破壊の激しかった坪○鉱泉にて