温泉旅館加○屋 2/2








外観は確かに廃墟だが、建物内は小奇麗になっていて、残留物も少なかった。



着いて30分もすると、探索派の面々は建物の外に出てきて、まったりとしていた。



敷地内に小さな廃墟もあったので、入ってみた。



バーだ。



ボトルキープ。



ミラーボール!



ミラーボール!!



不完全延焼気味だったが、最後の最後で一気に流れが変わった。
旅館の前に立っていた一見何の変哲も無い像が、一躍人気者になった。



よりによって、こんな場所に蜂の巣。
我々のネタのために蜂が巣を作ってくれたようなものだ。



熱心に写真を撮る酒井氏。



撮ったばかりの画像をチェックして、何ともいえない恍惚の表情を浮かべていた。



この廃墟の最大の魅力は、何といっても蜂の巣。
廃墟探索の面白さや醍醐味というのは、その建物が元々持っているものだけではない。
後から自然あるいは人為的に加えられることもある。
自然や人為的な行為、偶然などによって日々変貌してゆくのが廃墟の宿命なので、全てを受け入れて傍観者として観察するのが自分の立ち位置なのだろうと、再認識させられる廃墟だった。

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