水無山展望台


東海秘密倶楽部の酒井さんと二人で北陸の廃墟を訪ね歩いたこの日、最後の6軒目にして、唯一事前情報があった山頂の展望台を訪れた。
山中温泉からほど近い「水無山」の山頂に、かつて遊園地があり、その名残として今も展望台が廃墟化して残っているという。
アプローチが分からなかったため、近くの道の駅で聞き込みを行い、地図までいただいて親切に教えていただいた。
朝からの雨が相変わらず降り続き、日没が迫っていてコンディションは悪い。
山の中で日が暮れてはシャレにならないので、早々に山に登りはじめた。
かなりハイペースで30分以上登り、ようやく展望台が見えてきた頃には息も切れていた。
そして、着実に日暮れが近付いていた・・・





































降りしきる雨と足場の悪い山道、迫ってくる夜の闇・・・状況は最悪だった。
だからこそ、この展望台が見えてきた時の感動は大きかった。
濃い霧の中で、色あせたコンクリートが苔むしていた。
復路は、往路よりも大変だった。
岩の上に苔が生え、雨が降っていた。
帰りはもちろん下り勾配になるため、滑らない方がおかしい状態だった。
山を下りきった頃には、完全に夜になっていた。
二人ともびしょ濡れになって疲れ果てていたものの、充実感に満ちていた。
霧の展望台も素晴らしかったが、今度はぜひ晴れた昼間に行ってみたい。
日本海を眺めながら弁当を広げると、今日とは全く違った楽しみ方ができるだろう。