街中の長屋


毎日の通勤で、気になる風景があった。
車窓の中には、何件かの廃墟がある。
日々気にはなっているものの、愛知県ということもあって、なかなか訪問する機会がなかった。
愛知県といっても距離的にはそう遠くないのだが、やはり岐阜県に拘りがある。
愛知県よりも神岡鉱山の方がはるかに遠いが、どうしても「他県」という認識になってしまう。

ある晴れた休日、いつものように早朝の数時間を利用して、一人でドライブに出かけた。
いつもは岐阜県内で廃墟を探すのだが、今日は趣向を変えて、あの廃墟に行ってみよう。
木曽川を越えて愛知県に入った。
距離的には決して遠くないのに、なんだか新鮮な感じがする。
毎日見続けていたあの廃墟へ、いざ向かう。




毎日見ていただけあって、あっさりと辿り着いた。



住宅街なので、タイミングを見計らい、早速中に入る。



植物が、凄いことになっていた。



床に転がるのは、懐かし黒電話。
これを懐かしいというと、年齢がバレてしまいそうだ・・・



昔ながらの、狭い風呂。



パロ○のガス湯沸かし器だった。
排気管がズレていて、なんだか・・・
寝ていると、知らないうちに安楽死してそうだ。



廃墟化して、かなりの年月が経っているようだが、これといった残留物も無く、寂しい部屋だ。



これは決して写真が傾いているのではなく、建物が傾いていた。



スーパーカーのポスター。数少ない残留物の一つ。



生い茂る植物の間から、日が差し込んでいた。



家を出た頃は薄暗かったのに、もうすっかり日も上がっている。
さあ、そろそろ帰らないと、家族が起き出してくる頃だ。