不審車両に警察官7発発砲、指名手配犯逮捕


06年8月6日未明、岐阜県各務原市内のマンション駐車場で、指名手配犯の乗った車に複数の警察官が計7発発砲、犯人と警察官4人が負傷する事件が発生した。
家からそんなに遠くない場所でこのような事件が発生するとは。
一夜明けた6日午後、早速現地に向かった。




最初に待ち構えていたのは、パトカーによる道路封鎖だった。
ここを越えられるのは住民と報道だけで、一般人は現場に近寄ることすら出来ない。
住民を装えば突破できるかもしれないが、私の流儀に反する。
ここは大人しく引き下がり、裏から回り込むことにした。



あのマンションだろうとアタリをつけ、車を置いて徒歩で進入経路を探す。
たいていの場合、道路封鎖されていても、徒歩なら入ることが出来る。



本命と思われた経路だったが、全くのノーガードで人っ子一人見当たらない。
マンション内も静まり返っている。「違ったか?」と思った矢先・・・

マンション内を通り抜けると目の前に大破した車が!
フロントもリアも大破し、破片が周囲に散らばっている。
その車を取り囲む捜査員たち。
あまりの接近戦に当惑してカメラを向けようか迷っていると、
すかさず警察官がぎこちない笑顔で近づいてきた。

以下、制服警官とよごれんの一問一答
警「ここにお住まいの方ですか?」
よ「いや、ただ通りがかっただけなんですが」
警「報道の方ですか?」
よ「ただの通りすがりなんですが」

〜しばし警官・よごれんともに当惑〜
(いや待てよ、なんでこの警官はそんなこと聞いてくるんだ?)

よ「・・・ここにいちゃ、マズいんですかね?」
警 当惑した様子で横を向く
警官の視線の先数十メートルには、<立入禁止 岐阜県警察>のテープが!!!
よ「あっ、失礼しました。あの外からですね。」

と言い残し、そそくさと立禁テープの外に出た。




立禁のテープの下をくぐる時、立番していた制服警官がテープ
を上げてくれたので、片手を上げてお礼の意思を表した。



「まったく大変なとこに出ちゃったなあ〜」と思っていると、
今度は一部始終を見ていた報道の人が話しかけてきた。

報「あの〜、さっきから後部座席調べてましたけど、何かあるんですか?」
よ「え?いや、分からないですよ・・・」
報「警察の写真の方ですよね?」
よ「いやいや、一般人です。警察じゃありません!」
報「・・・新聞社の方?」
よ「報道でも無いです。一般人ですから」
報「近くに住んでる方でしたか。事件直後に撮った写真とか、お持ちじゃないですか?」
よ「そんなに近くに住んでる訳でもないんで・・・」

報道の人は困惑した様子だったが、それ以上何も聞いてはこなかった。




撮影したあと、さすがに来た経路では帰れないため、最初に
追い返されたパトカーによる封鎖地点を通って車に戻った。
封鎖していた警官も、不思議そうな顔をして私を見ている。
そりゃ、さっき追い返したのに封鎖の中から出てきたから、
当然といえば当然だが。話しかけられないように立ち去った。



それにしても、岐阜県警はいい人が多くてよかった。
これが警視庁だったら、間違いなく職質されていただろう。
そしてまた、東京都内から出て行けと言われるのがオチだ。
警視庁は首都を守るために他の道府県警察とは根本的に異なるが、
法的に問題なくても怪しい人物は露骨に管轄外に追い出そうとする。
首都ゆえの宿命かもしれないが、私はどうも好きになれない。






今回の事件、マンション前の狭い駐車場で発生した。
あの狭さで、しかも警察車両4台で囲んでいたにも関わらず、被疑車両は大事故に遭ったかのように大破していた。
犯人の抵抗の激しさを物語っていた。
警察官4名が負傷したが、あれだけの捕り物で全員軽傷で済んだのは幸いというべきだろう。
計7発を発砲した現場はマンション前であり、民家の目の前でもある。
JRと私鉄の駅からもほど近く、複数の学校が立ち並ぶ一角だ。
不審車両からは、100本の注射器と覚せい剤も見つかった。
これだけの被害で済んだのは、警察官が発砲して車両の逃走を防いだからだろう。
4台の車両で囲んでいたのだから、検挙方法に落ち度があるとも思えない。
今の時代、警察官が拳銃を1発撃っただけで大騒ぎになる。
それが、今回は複数の警察官が計7発撃っている。
しかも、当時現場には県警本部の機捜隊員と所轄の各務原署員、所轄違いの羽島署員もいたもんだから、現場検証は非常に手間がかかったことだろう。
警察官にとって、拳銃は撃たないことよりも撃つことの方が勇気がいる。
適正な銃器使用と認められなければ、退職するまで昇進する可能性が完全に閉ざされる。
適性であっても、当時の状況を報告書にまとめたり、非常に猥雑な仕事が増える。
それでもあえて7発も発砲し、暴走車の逃走を食い止めたことには賞賛を送りたい。
ただ目の前の犯人を捕まえて手柄を立てたいと思うのなら、発砲しなかっただろうから。


(注)今後の捜査活動への影響を考慮し、一部私服捜査員の画像には処理をしています

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