平成26年豪雪 1/4
2014年2月、日本列島を30年に1度と言われる寒気が覆った。
関東地方を中心に2月14日から断続的に大雪となり、山梨や埼玉など普段はほとんど積雪がない地域で1メートルを超えた。
政府は豪雪非常災害対策本部を設置したが、14日から16日にかけての大雪で26人が死亡、701人が負傷する惨事となった。
特に山梨県は、鉄道・高速道路・一般道路の全てが寸断され、県全域が孤立する異常事態に陥った。
山梨県や埼玉県では、除雪車等の除雪設備をほとんど持っていなかったため、復旧に時間を要した。
3日後の17日深夜に中央自動車道が開通して山梨県の孤立状態は解消されたが、山間部集落の孤立は長期化した。
鉄道では、14日から乗客が閉じ込められていた中央本線が19日になってようやく復旧した。
自衛隊や新潟県などからの応援を受け、孤立集落の解消が急がれたが、1週間以上が過ぎても一部地域では孤立が続いていた。
2月22日の正午頃をめどに孤立が解消する見通しとの報道を受けて、現地に向かった。
早朝から未だ孤立している集落に入り、孤立解消の瞬間を住民とともに見届けたいと思ったからだ。
そのため、作業着、ヘルメット、長靴、ショベルのほか、かんじきも車に積み込んだ。
現地ではガソリンも不足しているとの情報から、念のためガソリン缶も用意した。
諏訪湖SAからの眺め。諏訪湖が凍りついている。
外気温はマイナス10度を示している。
高速から国道を経て、いよいよ県道37号へと入ってきた。
この県道37号は終点が行き止まりとなる長い一本道で、沿線に複数の集落が存在する。
それらの集落に入るには、この1本の県道が唯一のルートとなる。
現在の時刻は午前9時。今も各所で除雪作業が行われていた。
除雪車にプレッシャーを与えないように、カーブで見えない位置に車を置いて待機する。
積雪の重みで庇が壊れてしまったのだろうか。
キャタピラの跡がついたボコボコした道をフリードで付いて行く。
山道を抜けると、こうした集落が現れる。それを断続的に繰り返す感じだ。
除雪作業をしているのは、ショベルカーがほとんだだった。
ロータリー除雪機が1台でもあれば、もっと早く復旧していただろう。
どこまで除雪が進み、どこから孤立しているのか分からないままに、どんどん進む。
除雪重機以外の車両は皆無で、交通量はゼロ。
知らずに走っていると、県道の(冬季閉鎖の)終点まで来てしまった。
この先には集落がない。つまり、孤立は既に解消した、という訳だ。
正午の予定が早まり、今朝開通した。
といっても、今はまだ朝。かなりの僅差だったようだ。
新潟県から世界最強と言われる除雪部隊が派遣されてきたことで、予定が早まったらしい。
山梨県だけで除雪していたら、もう1週間以上は余計にかかっていただろう。
孤立集落側から、孤立解消の瞬間を見届けることはできなかったが、少しでも早くなったのならば、喜ばしいことだ。
・平成26年豪雪 2/4 へつづく
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