羽幌炭鉱 1/5


危機感から渡道し、炭鉱跡を巡っていたこの日、最後に訪れたのが羽幌炭鉱だった。
『封印された日本の地下世界』の取材のために北海道へ来たため、昭和炭鉱の隧道マーケットだけは、どうしても訪問する必要があった。
それがどうしても見つからず、翌日リベンジを果たすために、本来は翌日訪問する予定だった羽幌炭鉱を急襲し、翌日の予定を潰しておくことにした。
(そのあたりのいきさつと、2日間かけて捜索した隧道マーケットの顛末は、上記の本に書いてあるので、ご興味のある方はどうぞ。)
そんなこんなで羽幌に到着したのは、日が傾きはじめる午後4時のことだった。






この日は朝4時から探索を開始し、炎天下の下で熊に怯えながら動き回っていた。



夕方になって羽幌本坑に到着、今は一年で最も日が長い7月なので、あと3時間は探索できるだろう。



コンクリートが不気味に膨らんでいた。



立坑櫓はどこかと見ていたら、藪の向こうに背の高い建物が見えた。まさか、ここにきて再び藪漕ぎ・・・



と思ったら、ちゃんとした道がついていて一安心。熊除けの鈴をつけて立坑櫓を目指す。



熊の痕跡とアブはたくさんいたが、10分ほどで到着。草木に埋もれた背の高い建屋は、異彩を放ちまくっている。



一歩中に踏み入れると、その光景に圧倒される。



ドーンと構える立坑ケージ。石炭を積んだトロッコを地下から引き揚げていた。



マッチ一本大事故のもと。



定員は60人!



もちろん禁煙。



この階段を登ると、立坑の操作室があるとは思うのだが・・・



老朽化のため立入禁止になっていた。残念。というか、この階段以外なら入ってもいいということに衝撃を受けた。



羽幌炭鉱 2/5 へつづく


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