もはや廃墟でもない・洞戸鉱山 〜前編〜


この日、廃墟マニアの間では絶対に知られていないであろう「洞戸鉱山」を訪れた。
廃墟と呼べるような建物が皆無なのだから、当然だろう。
完全に自然に還りつつある洞戸鉱山は、鉱石の収集場として鉱石マニアには知られた場所だ。
しかし、私は鉱石には興味がない。
では、なぜ訪れたのかというと、廃坑があるからだ。
大自然の中に唯一残る坑道をもって「廃墟」と呼べるかどうか、微妙なところだが、地底空間には挽き付けられるものがある。
兎に角、私はこれを廃墟だと言い張ることにして、TEAM廃墟の範疇に収めてみた。
今回は、雨降りの中、時間の制約も厳しく、一人での探索ということもあり、坑道の場所を確認するための下見程度に留めておく。






国道から林道に入り、ダート路を暫く走るとこのような看板が見えてきた。



事前に得た情報によると、ここから山に入って行く。
長靴と作業着に着替えて、ヘルメットを装着して核心へと向かう。



砂防ダムを越えなければいけないため、のっけから急斜面だ。
なんとなく道になっているが、山に慣れてない人にはきついだろう。



山は手入れされていて、何だか他所様の山に入っているみたいで気がひける。
実際は公有地なのだが・・・



アバウトながら、道は続く。
鉱石マニアの人たちが頻繁に通るようだ。
ちなみに、道は画像左端切り株の脇。






廃墟マニアにとっては険しい道でも、鉱石マニアにとっては普通の道らしい。
鉱石マニアの行動力には、頭が下がる。



道を見失いそうになったら、とにかく沢沿いに歩いた。
急斜面を登り続け、本当にこんな所に鉱山の坑道があるのかと、不安になってくる。



ここも「道」である。



かなり半信半疑になってきたその時・・・



こ、これはひょっとしてズリ(鉱石の残渣)ではないか。
とすると、ここに・・・



ビンゴ!ついに坑道の入り口を発見した。
今となっては全く考えられない場所に、鉱山の名残があった。
ちょうど雨が強く降り始め、雨宿りを兼ねて坑道へ突入する!



もはや廃墟でもない・洞戸鉱山 〜後編〜