神岡鉱山 大津山鉱区 〜前編〜


とある休日、それは、1本の電話からはじまった。
「ヒマなんで、どっか行きませんか?」
「じゃあ、神岡にでも行こうか」
ということで、Kamui氏と二人、急遽神岡鉱山を訪問した。
私は、栃洞と茂住には何度も行ったことがあるため、今回は大津山に行ってみるこのに。






急だったため場所も調べずに出発したが、地図を見て適当に行けばすぐに分かった。
しばらく道を進むとダートになり、人車が朽ち果てている。



山の下部にあった鉱山施設。この辺りは綺麗に整地され、重機やプレハブ小屋が目立つ。
栃洞の軌道取り壊しといい、ここ最近、神岡鉱山全体的に動きが目立つ。
目的地へは、まだ随分先へと進む。ダートも悪くなるため、四駆車の方が無難だろう。
途中、工事関係車両と行き違った。その時、止められて何か言ってきたのでマズイかと思ったが、
「あと3台来るから、もうちょっと待ってやって」ということだった。
二人とも作業着を着ていたのが功を奏したのかもしれない。



そして、やっと着いたかと思ったら、なんと・・・取り壊されてる!しかも進行形!
選鉱施設が木っ端微塵になってました。右端にわずかに軌道の形跡が・・・
激しいダートをSUZUKIのKeiで頑張ってきたのに・・・
悔やんでばかりいても仕方ないので、他の施設の捜索を開始した。
幸い、休日のためか、途中で行き違った作業車が帰って行ったためか、無人で作業は行われていない。


下方を眺めると、一枚壁があった。厳密にいえば二枚あるのだが、一枚壁と呼ばれている。



このあたりには、かつて集落があった。鉱山あるところに街があった。
1500人以上が暮らしていたというが、現在は無人で当時の面影はない。
ここ大津山地区は30年ほど前に閉山され、全村移転となった。
移転後に火災が発生し、画像のような状態で現存する建物は少ない。
「大津山」という集落名も消滅し、現在では「東茂住」という地名になっている。



解体現場を抜け、トロッコの軌道を進んだ。
草木が激しく生い茂っていたため、やむを得ずナタを使い進んで行く。
すると、すぐに短いトンネルがあった。






トンネルからさらに藪を進むと、トロッコが朽ちていた。



藪が切れ、見晴らしのいいところに出た。トロッコの鉱石を下に落とすための場所だ。



下を見る。このあたりも火事で焼けたようだ。
かなり大規模な火災であったことが窺える。
地面が濡れていたため、落ちないように気をつけて進んだ。



ここから、茂住坑が見下ろせる。上から見ても、やはりマリンブルーのシックナーが異彩を放っている。

大津山鉱区 〜後編〜


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