神岡鉱山 大津山の社宅 1/3


神岡鉱山の大津山。
標高1,000メートルを超えるこの地区は、冬になれば積雪が3メートルに達することもある。
このような厳しい環境にも関わらず、鉱山のためだけに、かつては3,000人以上の人が暮らしていた。
鉱山が無くなればそこに住む理由も無くなり、現在は無人である。
そんな大津山に、もうかれこれ20回近く訪問しているが、鉱山施設ばかりで社宅を紹介していないことに気付いた。
神岡鉱山に行くと、どうしても鉱山施設が壮大過ぎてお腹いっぱいになり、社宅はスルーしてしまう傾向にある。
そんな折、大津山の社宅に行きたいという方々からメールをいただき、これはいい機会とばかりに便乗することにした。
社宅をメインに大津山へ登るのは、これがはじめてだ。






行く手を阻む土砂崩れ。ここからは徒歩となる。



もう5月も半ばというのに、まだ残雪があった。
これくらいの時期が、草が無くてベストシーズンだ。
ただし、熊もヘビも相当な高確率で出るので要注意。



とりあえず、いつもの一枚壁。ここまで1時間弱。



我々が目指すのは、この屋根だけが見えている社宅だ。
わりと近くに見えているが、道らしきものは皆無。



こんな山あい深くに、かつては社宅が何十棟も建ち並び、多くの人が暮らしていた。



当時の地図を頼りに、かつて人々が行き交っていた道に入ってゆく。



笹薮が酷い。笹の藪は草と違って、鉈や釜でも簡単には処理できないから厄介だ。



そして、笹は雪の重みで横に倒れているため、さらに厄介だ。
無理矢理突っ込んでいっても、すぐに押し戻されてしまう。
笹と笹の間を、障害物競走の如くくぐり抜けるしかない。



笹薮地獄の図。少し進むだけで全身汗だらけ、長ソデ長ズボンでも手足は傷だらけ・・・



藪の間から、屋根の残骸のようなものが見える。
ここにも、かつて建物があったようだ。



笹と戦うこと30分、少し視界が開けたと思うと、建物が見えてきた。






大津山の社宅 2/3 へつづく


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