「丸山NO1」と書かれた貨車の後方には、真新しいポリドラムが見える。
なぜ??・・・
キターーーーー!!!
完全に崩壊している。
(以下、「プ○ジェクトX」風になります)
ここが限界点だと、皆思った。
隊員は、言った。「引き返そう」
隊長、考えた。
「いや、まだだ、強度を調べる」
梁の状態や崩壊の状況を、念入りに確認した。
「よし、行ける!」隊長は、言った。
手にしていたヘルメットを、深くかぶった。
そんなこんなで、何とか最大限安全を確保しつつ、体をくねらせて崩壊箇所を突破。
これが、越えてはならない禁断の扉とも知らずに・・・
崩壊に、多数の貨車が巻き込まれている。
「なんとか抜けたぞ」と安堵した矢先の出来事だった。
我々は、思いもよらない事態に遭遇する。
隊長「なんか音が聞こえないか?」
隊員「なんだろうな・・・」
隊長「蒸気みたいな音だな」
二人「こっち来る!!」
その音が、レール上をトロッコが走ってくる音だと気づいた時には、もう見える距離に迫っていた。
幸い、この辺りは暗く、向こうからはまだ発見されていない。
私と隊員は十メートルほど離れた場所にいたが、ジェスチャーで「隠れろ!」という合図を送り、山側の建物に身を潜めた。
こうした危機的状況で、ふと辺りを見回した。
ボンドやバケツなど、色々な道具類が置かれているが、これまでに見てきたものとは明らかに違う。
全てが真新しく、使用感があるのだ。
そして、軌道のすぐ先は崩壊している。
最悪のシナリオが、脳裏をよぎる。
「トロッコは、ここに来る!!!」
すぐさま撤退の態勢に入る。
トロッコは2、30メートルの距離まで迫っていたが、辺りは暗い。
多少の足音は、トロッコの走行音がかき消してくれる。
それに、こんな所に人がいるとは思ってもいないだろう。先入観というのは、人の感覚を大きく左右する。
「今だ!」二人は山側の壁に沿うようにして、闇に紛れて早足で撤退した。
無我夢中だった。崩壊現場を越えたあとは、さらに速度を上げて撤退した。
あっという間に、外へ出た。
時間をかけて来た道も、駆け抜ければあっという間だった。
それにしても、緊張した。
休日のAM7時。なんでこんなことに・・・