神岡鉱山 雪の栃洞選鉱場 1/4


かつては国内最大の鉱山だった神岡。
茂住、下之本、跡津といった複数の鉱区が存在するが、現在も精錬所が稼動している鹿間に次いで規模が大きかったのが、栃洞だ。
一般的に、「栃洞」というのは選鉱場を中心に丸山坑、通洞の電車軌道、南平・泉平・前平の各住宅ゾーンを含めた地域のことを指す。
栃洞で採掘・選鉱した鉱石を鹿間で精錬していたので、地理的に近接していることもあり、一括りにされることもある。
その栃洞地区の中心的存在は、なんといっても選鉱場だった。
栃洞選鉱場第一工場をはじめ、昭和初期に建設された巨大な施設群が、山肌に貼り付いている。
栃洞の電車軌道は他のサイトでもよく取り上げられているが、メイン施設である選鉱場は、あまり見られない。
我々TEAM酷道としても、選鉱場は施設の一部しか取り上げていなかった。

全国的に大規模な鉱山廃墟の取り壊しが相次ぎ、国内に現存する選鉱場施設は、数えるほどになってしまった。
ここ栃洞の選鉱場も、近年の自然崩壊により、行き着くことが難しくなっている。
自然崩壊に加えて坑道施設の転用により、雪の無いシーズンに訪問することは事実上不可能となってしまった。
そこで、2007年2月某日、栃洞の選鉱場に的を絞り、TEAM酷道隊員のKamui君と二人で訪問した。
これ以上崩壊し、完全に失われてしまう前に、記録しておきたかった。





今年は記録的な少雪ということで、なんと2月に訪問した。
例年なら、絶対にあり得ないことだ。
画像手前が鹿間の精錬所、左上の↓が栃洞の選鉱場だ。



選鉱場群をズーム。山肌に張り付いている。



いざ栃洞へ。異常なまでに残雪が少ない。
雪は少ないが、気温はマイナス5℃だった。



残雪が溶けない気温で快晴、絶好の探索日和だ。



05年に取り壊された電車軌道跡を歩くKamui君。
雪のある時期は稼動していないため、通り抜けることが出来る。



この先のインクライン(急勾配ケーブル軌道)跡には、真新しい高圧水管が敷設されていた。
昨年の夏以降に、工事が入ったようだ。年々、施設の転用が活発になってきている。



そのインクライン跡付近から、栃洞選鉱場第一工場を望む。
崩壊と雪で、その道のりは険しそうだ。



とりあえず、お馴染みの施設から。
屋根が落ちているため、屋内に雪が積もっていた。






下へ下へと向かう。
屋根の高い巨大プラントに出た。



中二階の制御室。






一つの建物としては、栃洞選鉱場で恐らく最大の建物だろう。
荒れた感じが全く無いが、所々屋根が落ちてきている。









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