神岡鉱山 漆山地区 2/3








こんな山道、どうってことないのだが、上り坂がきつい。
登り始めてわずか30分で、ちょっと疲れてしまった。



道もどんどん怪しくなってくる。
人が通った形跡が無く、蜘蛛の巣によく引っかかる。



登り始めて1時間、依然として急な上り坂が延々と続く。
訪れたのが初夏ということもあり、汗が噴き出す。



1時間半が経過。道はどこ?
なんとなくそれっぽい地形を選び、「道」を見失わないように注意して進む。



モロにルート上で、嫌は感じの形跡を発見。
近くにはごく最近掘り返されたような激しい足跡もあった。
この道を登り始めた当初から、熊や蛇の存在は十分過ぎるほど感じていたが、激しい山奥で一人、
いざという時にはどうしようもないという状況になると、より危険を身近に感じるようになる。



道はますます道じゃなくなってきた。
嫌な予感ほど的中するもので・・・
前方で“ガサガサ”という音がして、体が固まる。
やはり・・・熊の親子が前方を横切ってゆく。
熊除けのグッズも身に付けていたが、やはり、効果はいまいちだった。
行き過ぎるのを待ち、姿が見えなくなっても5〜6分間はただじっとしていた。
麓から歩き始めて2時間近く、そしてこちらは一人。とても応戦はできない。
さすがに、この先登り続けるか、諦めて下山するか、ちょっと迷った。
熊と遭遇した時のテンションの下がりようは、他に例えようがない。



せっかくここまで来たのだからと、さらに登り続ける。
これは道と呼べるのだろうか・・・?



このルートを通ったのは、今シーズンは恐らく私が初めてではないだろうか。
足元が完全に見えないため、蛇への警戒も必要だ。



画像の中央が道。
草の丈が若干短いから、道だとかろうじて判断できる。
ほぼ休憩なしで急勾配を登り続け、2時間以上が経過。
ふぅ〜疲れた・・・
この先に何があるのか、何も無いのか、それすら分からない。
しかし、ほんのわずかでも可能性がある限り、進むしかない。



多少道が開けた。目的地は近いのだろうか。



そのとき、2本の大木に挟まれるように鎮座する祠が現れた。
2本の大木は、まるで御神木のような大きさだ。
鉱山として栄えていた頃は、立派な神社でもあったのだろうか。




神岡鉱山漆山地区3/3 へつづく


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