「エロ山」4年目の真実 2
2007年の秋から冬にかけての訪問。
エロ本小屋から山全体に調査範囲を本格的に広げ、色々な動きがあった時期。
エロ本小屋の前に、紙を燃やした跡があった。
まだ、わずかに煙が上がっている!
何者によるか特定は困難だが、ニアミスもいいとこだ。
全く人気の無い場所だけに、人の気配を感じると緊張する。
小屋の中は、数週間前と大した変化は無かった。
以前から気になっていたことだが、最近、小屋の中には切れ端を捨てなくなった。
小屋の前の路上だったり、山の別の場所の斜面に捨てる傾向がみられ始めた。
斜面を捜索すると、真新しいカフェオレのペットボトルが。
これは、1週間以内に捨てられたものとみて、まず間違いないだろう。
また別の日、山全体に捜索範囲を広げて廃道を歩いていると・・・
不法投棄されたポリバケツの中に、さらにエロ本が投棄されていた。
これは新鮮だ!
同行していたTEAM酷道のアドレスV100と「トーキントラッシュ」のイルカ氏が色めき立つ。
二人がポリバケツからエロ本を慎重に取り出し、捜索を始める。
この切り方は、「彼」に間違いない。
エロ本の切れ端に混じって、カフェオレのペットボトルが出てきた。やはり・・・
それにしても、ペットボトル飲料の種類やコンビニ弁当の種類で「彼」を特定
できてしまうというのも、かなり猟奇の域に達してしまった感が拭えない・・・。
日付を確認できるスポーツ新聞が発掘された。
日にちは、今日から3日前のものだ。
逆算すると、「彼」が現場を立ち去ったのは、昨日か一昨日。
かなり「彼」に近づいている。
もう一歩が、なかなか届かない。
定番のエロ本小屋を覗く。
全くエロ本の無かった1階にも、徐々に侵食しつつあった。
そして、そこにあった下着は・・・
切り刻まれた女性用のパンティ。
横にはストッキングが添えられている。
本だけに飽き足らず、下着まで切り刻むとは。
夕暮れ時のエロ本小屋が、なお一層猟奇さを増していた。
(撮影:とらジェベル)
ある日、エロ山の廃道沿いに、チャイナ服が踊っていた。それも3着も。
その近くには、カツラとハイヒールも落ちていたという。
この数日前には無かったし、1週間後には消えていた。
人が全く入ってこない、入る必要の無い山奥で、1週間ほどの非常に短い期間だけ見られた光景。
そうした一瞬の光景も見逃さない。そのためには、毎週のように、毎日のように、この山に通うしかないのだ。
(撮影:ユウジ)
程度の良い状態で発見された、刺激的な下着類。
カップの大きさが気になる。いやいや。
「彼」の欲望はとどまるところを知らないようだ。
ただ廃道が縦横に走る山。
廃道以外に何があるという訳でも無く、普通の人は全く立ち入ることはない。
そんな山で、大量のエロ本・下着類を切り刻み続ける男。
それも、月に一日や二日の話ではない。
周に一日か二日のペースで。
こんな猟奇が、人里離れた山奥で、日夜繰り広げられている。
そして、それを猟奇的なまでに追う我々。
山には廃道しかなく、大した目印もない。
自分一人だけで探索していたぶんには、「あそこも見回りしとくか」で済んでいたが、複数人になると、当然場所の表現が問題になってくる。
基本は「エロ本小屋」、足を伸ばして「旧小屋」、行き止まりになっているから「ロータリー」、チャイナドレスが吊るしてあったから「チャイナ」。
色んな場所を、通称で当たり前のように呼び合う。
「じゃあ、小屋からチャイナ経由でロータリー行こうか。」
世間では全く通用しない会話が、当たり前のように飛び交う。
特に「チャイナ」は、今現在はチャイナドレスの痕跡は全く無い訳で、現場に行った人でも理解不能だろう。
それほど、エロ山の探索が、我々のライフワークとなっている証拠だ。
あまり感心できるライフワークではないが・・・。
「エロ山」4年目の真実 3