化女沼レジャーランド 8/10
翌朝7時、再び化女沼レジャーランドにやって来た。
すると、なぜかたくさんの人が集まり、ゴミ拾いをしていた。
ゴミ拾いをしていたのは元従業員の方々で、廃墟になった今でも定期的に集まり、園内をきれいにしているのだという。
遊園地の遊具の係員だった人や、事務をしていた人など職場は様々。
せっかくなので、当時のお話を聞いてみた。
遊園地は家族連れで賑わい、遊具の前には順番を待つ長い列が、園外にまで続いていた。
ゴーカートはかなりのスピードが出たようで、熱中している大人も多かったという。
繁忙期は忙しくて、特に遊園地のフードコーナーで働いていると、昼食もままならなかった。
孫が遊びに来ても全く構うことが出来ず、閉園時間後に観覧車に乗った思い出。
遊園地のほかにも、ゴルフ場やソーメン流しも人気で、ランド内は活気に溢れていた。
ランド内には四季折々の花々咲き乱れ、単純に花見に来る客も多かった。
この地方でよく行われる「イモ煮会」のメッカでもあった。
後藤社長が個人の考えと財産で始めた化女沼レジャーランドで働いていた従業員は100名以上。
これだけの施設なので大所帯ではあったが、みな後藤社長と共に夢を追いかけていた。
閉園したことはとても悲しいが、こうして定期的に当時の仲間と会って話すのが楽しみ。
「もしも(化女沼レジャーランドが)復活したらまた働いてみたいけど、もう歳だからね」
笑いながらも少し寂しそうな表情が、印象に残った。
化女沼レジャーランド9/10 へ続く