無縁菩薩の寺 1/4
以前、ぷらぷらとドライブしていた時のこと。
一軒の廃屋が目に付いた。
「また今度、時間がある時に探索に来よう」そう思って通り過ぎた。
実は、このように目を付けてはいるけど機会が無くて探索していない廃屋はかなりの数に上る。
家族を持つと、そう易々と探索に出かけられないからだ。
そして、気が付いた頃にはその廃墟のことを忘れてしまっていたり、既に取り壊されていたりする。
今回は、ちょっとしたきっかけと機会に恵まれたため、探索に訪れた。
生い茂る木々に飲み込まれるように存在する廃屋。
その存在を確認することすら困難だ。
近づいてみると、白熱球のランプがいい雰囲気を醸し出していた。
縁側の壁が自然崩壊し、そこから中に入ることが出来そうだ。
布が、微妙な感じだ・・・
屋外に放置されている七福神の恵比寿様を発見。
しかし、私の目は恵比寿様の傍らに転がっている一枚の板切れに釘付けとなった。
無縁菩薩。
恵比寿様の隣に無縁菩薩。
そのギャップもさることながら、無縁菩薩という文字に目は釘付け。
そして、その手前にはこんなものまで・・・
侵入を前に、一気に緊張感が高まる。
この廃屋、ただの廃屋ではない。
無縁菩薩の寺2/4 へつづく