廃禅寺
大型連休を利用し、中国地方の廃墟を巡ってみることにした。
岐阜県以外の廃墟の場合、何かのついでに立ち寄ることは多いが、廃墟のために遠征することは極めて少ない。
これまで、純粋に趣味としての廃墟のためだけに遠征したのは、2003年の軍艦島が最後だろう。
これは、活動スタイルによるところが大きく、私の場合、既に知られている廃墟への興味は薄く、まだ誰も知らない、誰も入ったことがない廃墟を探すのが楽しい。
そして、物凄く素敵な廃墟を見つけられた時の感動が忘れられない。
今回、遠征してみる気になったのは、それだけ魅力的な廃墟が多いと思ったのと、声をかけてくれた人がいたからだ。
普段岐阜から動かないので、同じ廃墟趣味の人と知り合うのは、岐阜の廃墟を案内する時だけだった。
廃墟以外の目的では、年に一度は全国を回っているので、遠くに行くのが面倒な訳ではない。
自ら進んで行こうと思わなかっただけで、誘っていただければどこにでも行く。
そんな訳で、TEAM酷道をはじめて10年になるが、今回が実質的には初の遠征先合同探索となった。
そして、土地勘も情報も何もない現地でナビゲートしてくれたのが、
廃れゆく部屋のくまおさんと、
廃ダイナミックレンジの山下さんだ。
今回の一行は、案内役のお二人のほかに
スーパードライバーのふしんさん、廃景ノスタルジアの華咲枯美さん、
廃色melancholyのキョンさん、そしてTEAM酷道のさちさんの計6人だ。
早朝に待ち合わせをした我々は、早速最初の廃墟・廃禅寺に向かった。
獣道を歩いて行くと、立派な門が現れた。
立派な門の奥には立派な建物があり、いい感じに廃れている。早速中へお邪魔しよう。
履物は下駄と草鞋。古風だが、この建物が建てられたのは30年ほど前らしい。
最初に入った部屋は屋根が抜け落ちていた。
そして、屋根を眺めていると、林家木久扇師匠の顔が頭に浮かんだ。
(分かる人だけ分かってください。)
「禅」ニュース。
禅の道はブッダから。テキストとしては悪くない。
奥へと続く長い廊下を歩いてゆく。
長い廊下の行き止まりにあったのが、この禅堂だ。
ここで、多くの人が一斉に座禅をしていたのだろう。
なぜ、「禅」をテーマにした巨大施設を作る必要があったのか、作ろうと思ったのか、疑問が残る。
どうやら一般企業が作ったようだが、それにしても、なぜ禅に拘ったのか、謎だ。
だからこそ、廃墟になっているのだろうけれど。
つづいて、RC禅堂へ行く
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