酷道439紀行8 県道6号周辺
そして、延々と県道6号を走り続け、ついに平家の滝に到着。
なんかひっそりとしている。
すぐ目の前にはダイナミックな滝!
来て良かった。道のりは遠かったけど・・・
高知市からよく来るという方にお話を聞いた。
なぜ平家の滝かというと、その昔、身を潜めていた平家の落人たちが、朝露に光る葉っぱを
源氏の刃と見間違え、集団で滝つぼに身を投げたという悲しい伝説が言い伝えられている。
さらに山間部へと入ってゆくと、比較的大きな集落が現れた。
四国の急峻な地形にあって、石垣を築いて家を立て、棚田と段々畑で生活している。
近年では道路網の整備によって都市部に人口が流出し、廃屋の姿も目立つ。
集落の外れに別の廃屋があったので見学してみた。
母屋は自然崩壊で半壊し、今にも崩れ落ちそうだ。
家の中には意味深な言葉が・・・
祭壇のようなものもあり、その他の造りから、ここはかつてお寺か神社だったのかもしれない。
離れには風呂もあった。
そして439へ戻るのだが、県道6号はもう走りたくない。
一旦高知市内に出て遅い昼食を摂り、国道194号でヨサクに戻る。
しかし、このままヨサクを進んでしまうとカットした未走区間が出来てしまうため、県道6号との分岐まで戻った。
ここで、限界集落の臭いがするという理由で、県道6号を今度は逆方向に北上してみることした。
県道から気になる林道に分岐し進んで行くと、家が見えてきた。
人家があるような場所ではないため、人が住んでいることに驚いた。
そして、熱い思いを持って、固定観念に囚われずに田舎暮らしを謳歌している住人の方に話を聞いた。
昔からここには1世帯しかなく、カルガモ農法を取り入れるなど自然を上手く利用し、持ちつ持たれつの関係を築いている。
当たり前でも斬新で合理的な発想に脱帽し、色々と話し込んでいたら辺りはすっかり暗くなっていた。
もうすっかり夜になってしまった山道を走りながら、とらさんといつになく真面目な話をしていた。
先週から幾つかの山村集落を見てきて、色々と思うところがあった。
道路が整備されて便利になると、人は都市部へと流出してゆく。
一世帯が抜けると物々交換が成り立たなくなり、スパイラル的に過疎化が進む。
それでも先祖代々受け継いできた土地に暮らし続けている人は、殆どが高齢者だ。
山村には、多くの限界集落があり、廃村になってしまった集落も少なくない。
そんな現実を見て、感じて、何とかならないのかという問題意識は持つのだが、解決策は見つからない。
なぜなら、田舎暮らしが嫌いではない自分でも、そこに住めるかと聞かれたら、住めないからだ。
田舎と都会、どっちがいいとか悪いとか、そんな単純な話でもない。
答えの見つからない問答をしながら夜のヨサクを走り、3日目の探索は終了した。
酷道439紀行9 山頂の廃集落を目指して
・酷道のページへもどる