酷道458号雪中行脚 2/3





これから先は雪深く、たとえ車高の高い四駆車であっても進めないだろう。
ここから峠まで、どう見積もっても10キロ以上はある。
これから日没までに行って戻ってくることは、まず無理だろう。
まず無理だろうが、本当に無理なのか、とりあえずチャレンジしてみよう。



長靴にかんじきを装着し、一歩を踏み出す。かんじきの上に雪が入り、「引き足」がとても重い。
この状況、同行者がいればまず引き止められているところだろうが、気ままな一人旅で正解だった。



頑張って歩いても、振り返ればまだフィットが近くに見える。
かんじきで歩くのは、とてつもなく疲れることが分かった。



砂防ダムが見えてきた。



この状況じゃ、段差もへったくれも無い。



まだ冬季閉鎖区間でもなかったのか・・・
しかも、この先27.4キロもある・・・



ゲートらしきものは無かったが、偶然にも自然のゲートが出来ていた。



道は広くなっている場所があったが、ありがたみは無い。



ダムによって出来た人造湖の絶景。
この景色を見られる人は、そう多くないだろう。



上り坂は続く。



かんじきを履いて歩き続けているため、とても体が熱くなってくる。
脱げる限りの上着を脱いだが、滴ってくる汗が目に入り、痛い。



歩き続けること1時間、進んだ距離は1キロ未満。
こりゃー無理だ。一休みしたら引き返そう。
一休みするにも座れる場所もない。
立ったまま休んでも、ちっとも休んだ気がしない。



酷道458号雪中行脚 3/3


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