TEAM酷道緊急企画! オオツヤマノボレ 1/3

撮影:のんちゃん・ター・イルカ・トラジェベル(敬称略)・よごれん



この日、我々は毎年恒例で参加している神岡鉱山の一般公開イベント「ジオ・スペース・アドベンチャー2009」(GSA)に参加すべく、各方面から夜明け前の神岡に集結していた。
参加メンバーは、実はTEAM酷道は少数で、他のサイトを運営されているのんちゃん(千葉県民)やイルカ君(愛知県民)、親子で廃墟を探索しているという珍しい パターンのOさん、TEAM酷道と非常に近い位置に居ながら、なかなか上手い距離感を置くハマー乗りのターさん等、混成部隊だった。
自分たちも含め、比較的遠方からの参加にも関わらず朝7時集合の第一便に参加したのには、理由があった。
「終わった後、どっかいこうかなぁ。」と、個人的に思っていたためだ。
かなり迷惑な理由ではあるが、ともかく、とりあえずは本題であるGSA2009に参加する。




神岡鉱山の廃坑を利用し、様々な研究が行われている。
最も有名なのが、ノーベル物理学賞を受賞した東京大学の「スーパーカミオカンデ」だろう。
そのほか、東北大学の「カムランド」も、同様にニュートリノの観測施設として華々しい成果を上げている。
共通する「ニュートリノ」だが、何年も参加して繰り返し説明を聞くことで、ようやくどんなものなのか、分かりかけてきた気がする。
一言で言えば、ニュートリノは物質を構成する最小単位である素粒子。
つまり、分子を構成する原子、原子を構成する中性子や陽子、陽子を構成する素粒子、で、その素粒子の仲間の一つがニュートリノだ。
そのニュートリノは、常に太陽から地球に降り注いでいるが、観測するのが非常に難しい。
ニュートリノは何でも簡単に通り抜けてしまい、地球を20億回貫通してようやく1回ぶつかる、という代物。
そのため、ニュートリノを実験施設内で受信設備にぶつけようとすると、スーパーカミオカンデのように巨大な施設が必要だった。
物理学の世界では、理論的に存在が証明されていても、実際に実態は確認されていないというモノは、意外と多い。
ニュートリノもその一つであったが、このスーパーカミオカンデにより、世界で初めて、実際に存在が確認された。
また、これまでニュートリノには質量が無いとされてきたが、カムランドでの研究により、ごく微小ではあるが質量があることが証明された。



と、そんな話よりも、我々が興味を示すのはこんな坑道!



そして、鉱山内で活躍する大型重機の実演!
轟音を轟かせて、ホイールローダーが迫ってくる!油圧ジャンボが岩盤に穴を開ける!
これを見るために、毎年参加しているようなものだ。
ちなみにこの時、興奮したためか、Nちゃんが側溝の泥に片足を突っ込んでいた。



現役の油圧ジャンボに乗れるのも、年に一度のこの機会しかない。



最も熱かった鉱山コーナーが終わると、我々一行は魂が抜けたような状態で、ニュートリノの詳しい説明を延々と聞いていた。

そしてGSA終了後、いつもの「あすなろ」で珈琲をすすりながら、みんなで歓談していた。
1時間以上にわたり会話を楽しんだところで、おもむろに切り出した。
「じゃあ、これから大津山に行きますか!」
大津山とは、かつては神岡鉱山の一部として栄えた大津山地区のことで、詳しくはTEAM廃墟→岐阜県の廃墟→シリーズ神岡鉱山→大津山を参照。



まず待ち構えていたのが、この見覚えのある通行止看板だった。
3〜4年前の土砂崩れにより完全に道が崩壊していた。
前回、昨年訪問した時には8割方復旧工事が進んでいたので、もう終わっただろうと踏んでいたのだが・・・
とりあえず、自己責任で入ってもいいよと書かれているので、看板の横をスルーして進んでみることにした。



早々に舗装路は途切れ、激しいダート路になった。
我々の車列5台は、私のフィット(FF車)をはじめ、とてもダートに向かない車がほとんど。
岩がゴロゴロして路面が凸凹のダートを、なんとか腹を擦らないようにハンドルを切りまくって進む。



3年以上に亘り通行止の原因となっていた災害箇所は、復旧が完了していた。
昨年は、この手前に車を置いて歩いたため、片道2時間近く歩いた。



復旧していたのはいいが、この先は3年間以上車が通っていなかったため、ただでさえ酷いダート路が、荒れ放題になっていた。



フィットには、少々過酷な道のりだ。



自己責任ゾーンの全く管理されていない道をこの車で走るには、限界が近づいていた。



TEAM酷道緊急企画!オオツヤマノボレ 2/3


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