TEAM酷道緊急企画! オオツヤマノボレ 2/3




土砂崩れが路面を覆っていた。
柔らかい土と大きな石が大量に堆積し、先頭をゆくフィットは完全に捕まってしまった。



どんなにアクセルを踏み込んでも、全く前に進まなくなった。



こうなってしまったら、一旦後退するしかない。



各車からみんな降りてきて、土砂崩れの状態、そしてフィットの状況を見る。
諦めムードが漂う中、そんな雰囲気を払拭すべく、私はすかさずトランクからショベルを持ち出した。
ショベルを見るとみんなの表情が変わり、「前進あるのみ」という硬い意思を確認し合った。
「オオツヤマ、ノボレ」



道を「造成」してはフィットで突っ込み、止まっては後退し、再び「造成」。



少しずつではあるが、道が徐々に開けてきた。
と思った矢先、大きな足長蜂が、どこからともなくやってきた。
1匹、2匹・・・次第に10匹を越える数になっていた。
思いがけないハチによる猛攻撃をさけながら、造成作業は続く。



この時、現場に居合わせた唯一の女性であるのんちゃんがつぶやいた。
「あんたら、そこまでして車で行きたいのか!」と。
確かに、ここからだと、目的地まで歩いてもそう遠くは無い。
もうかれこれ30分は道を切り開いているので、最初から歩いていればもう辿り着いていたかもしれない。
しかし、これはTEAM酷道の企画である。
「車で行かなければ意味が無い!」そう念じて、我々は黙々と作業を続ける。



そして、ついに道は開けた!



土砂崩れによって出来た川を、フィットで渡る。



作業開始から40分、ようやく土砂崩れ区間を通過した。
この時、目的地に向かっているということを忘れそうになっていた。
達成感でいっぱいで、もうここで目的を果たしたかのような気分になっていたのだった。
しかし、ここを越えられたのは私・よごれんのフィットとターさんのジムニーだけで、残る3台は無念のリタイヤとなった。



一難去ってまた一難。
今度は大き目の落石が路面中央に鎮座していた。
みんなで息を合わせて落石をどかせる。



落石は、慎重に隅に寄せておいた。
下手に転げ落とすと、さらに大きな落石を誘発し、自らの退路を絶たれてしまうかもしれないからだ。



TEAM酷道緊急企画!オオツヤマノボレ 3/3


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