イルカ漁解禁 シー・シェパードvs在特会 1/4


和歌山県の紀伊半島南端に位置する小さな漁業の町、太地。
静かだった町が、伝統として継承されてきたイルカ漁を巡り、2000年頃から騒がれるようになった。
反捕鯨団体として知られる「シー・シェパード」(以下、SS)の活動家が常駐し、2009年には隠し撮り映像によって製作された「ザ・コーヴ」が公開されると、オーストラリアや欧州の一部の国から非難を浴びることとなった。
2010年には環境保護団体「ザ・ブラック・フィッシュ」の活動家がバンドウイルカを捕獲していた網を切り、器物損壊容疑で逮捕された。
その他にも、漁の期間中は漁師への嫌がらせといった妨害行為が繰り返されている。

イルカ漁自体は諸外国でも行われており、日本では縄文時代から行われている。
しかし、シー・シェパードをはじめとする国際環境団体による抗議活動は日本でしか行われておらず、注目度の高さや、スポンサーからの資金集めといった諸事情が絡んでいるようだ。
こうした事態を受けて、日本国内からも、伝統漁法を守ろうという動きも出てきた。
その中でも極端なのが、ネット右翼の活動家らを中心とした動きだろう。
イルカ漁を守るというよりかは、抗議する活動家たちを駆逐するという攻撃的な活動スタイルだ。

イルカ漁が解禁される9月1日、反イルカ漁団体と日本の右派系組織が大挙して訪れ、毎年争いが繰り広げられている。
海賊として国際手配されているメンバーもいる過激な海外組織と、攻撃的な日本の右派系組織の争い。
それを阻止しようと、和歌山県警と海上保安庁も全力で警戒に当たる。
これはもう、見に行くしかない!
そう思い続けて10ヶ月、ようやく待ちに待ったこの日がやってきた。
公平・中立な立場で見守るべく、TEAM酷道のユウジさんを無理矢理巻き込み、前夜に岐阜を出発した。






岐阜から夜通し走り続けて時刻は朝5時。太地漁港に到着した。
着いたら仮眠しようと思っていたのに、既にSSのメンバーが活動を開始していた。
漁港で何やら抗議活動を展開しようとして、警察に阻止されていた。



写真を撮っていると、すぐに和歌山県警の警察官が話しかけてきた。
「おはようございます。報道関係か、活動の方?」
「おはようございます。いや、ただ見に来ただけです。」
「そうでしたか。今日は色々な人が来るもんだから、聞いとかないと分からなくて。」
和歌山県警、なんて紳士的なんだ。



SSの車が走っていったので、それを追尾する覆面パトカーのさらに後ろから追尾した。
太地町に常駐している活動家は数人だが、今日は漁の解禁日とあって、バスを貸し切るぐらい多くの活動家が来日していた。



駐車場はSSの関係車両で満車状態に。



燈明崎から太平洋に登る朝日を眺める。



手作り感が素敵。



これがあるからSSが来たのかと思ったが、そうではなかった。



イルカ追い込み漁の様子が見えるからだ。
この時間は、まだイルカ漁の開始前なので、画像は通常の漁船。
どうやら下見のようだ。



岬の先端付近は、SSの活動家でいっぱい。
この状況下で、我々2人組のただの観光客は、なかなか居心地が悪い。



一部の活動家を残し、SSのバスは漁港に戻ってきた。



イルカを追い込む先は深い入り江になっていて、なかなか見えない。
こうして端っこまで行っても見えないし、燈明崎からも見ることができない。



SSのプリウスの後ろには、ピッタリと警察車両が張り付いている。



イルカ漁解禁 シー・シェパードvs在特会 2/4 へつづく

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