南木曽町読書の土石流災害災害 1/3


2014年7月9日17時40分ごろ、長野県南木曽町読書において、土石流が発生した。
梨子沢(なしざわ;河川)を猛烈な勢いで下ってきた土石流は、木曽川との合流地点に近い三留野地区で家屋13戸を飲み込み、JR中央本線の鉄橋を押し流した。
家屋にいた家族4人が流され、12歳の男子中学生が死亡、3名が負傷した。
家屋は10戸が全壊し、3戸が一部損壊した。
子供の命が奪われる悲惨な災害であった。
また、JR中央本線と国道19号線が同時に被災したため、長野県への石油輸送路が絶たれてしまった。
長野県へのガソリン・灯油の輸送は、そのほとんどが名古屋方面から行われている。
中央自動車道は、危険物搭載車は恵那山トンネルを走行できないため、JR中央本線の貨物輸送か、国道19号線を通るかのどちらかしかない。
そのため、JR中央本線及び国道19号線の復旧は、急務となった。






夜明け前に、現地に向かった。
国道19号の通行止は依然続いており、迂回路は無い。



早朝4時、日の出とともに現地に入った。国道の上は、既に片付いていた。



土石流が流れた梨子沢。前方の橋は流されずに残ったが、欄干が破壊されている。



梨子沢沿いの家屋が、土砂に埋もれていた。



上流から押し流されてきた家屋の屋根。



家屋の残骸や生活用品が散乱し、惨状を物語っていた。



JR中央本線の線路上には、何メートルもの高さになるまで土砂が堆積していた。



とても線路があったとは思えない。



直前には電車が通過していて、一歩間違えればさらなる大惨事になっていた。



瓦礫のなかに子供の絵本があった。



瓦礫の間から突き出ている中央の丸いものは、三輪車の車輪だった。



NHKスペシャルを録画したVHSテープ。



この絵を見て、ハッとした。これはおそらく、亡くなった12歳の少年が住んでいた家にあったものだ。
土石流は、人命も家も思い出も、全部奪っていった。



南木曽町読書の土石流災害災害 2/3 へつづく


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