茨城県常総市・東日本豪雨 1/6
2015年9月9日、台風18号が愛知県に上陸し、石川県へと横断した。
この台風自体は勢力が弱く、大した被害をもたらさなかったが、台風に起因する帯状の雲が東日本の局地に集中。
11日にかけて栃木県や宮城県で観測史上最大となる豪雨が相次いだ。
その結果、茨木県や宮城県で堤防が決壊するなど、東日本の広い範囲で深刻な被害を出した。
20,000戸を超える家屋が浸水し、死者8名、負傷者は78名に上った。
特筆すべきは、浸水被害であるにも関わらず、全壊家屋が25棟にも及んだ。
特に鬼怒川が決壊した茨城県常総市では、押し寄せた鉄砲水によって多くの家屋が押し流された。
降り続いていた雨が上がった翌日、最も被害の大きかった茨城県常総市へと向かった。
仕事を終えて、岐阜を深夜に出発。翌朝6時過ぎに常総市に入った。
堤防決壊現場の数十キロ手前から、主要な国道や県道は通行止め、生活道路も冠水していて通れなくなっていた。
20キロぐらいなら歩くことも覚悟したが、冠水していない道路を探してクネクネ曲がり、少しずつ現場へと近づいて行く。
途中、まだ冠水している場所が複数あり、動けなくなった車が取り残されていた。
現在は水位が下がっているため、なんとか通ることができた。
そう順調に進み続けることは出来ず、今なお水位の高い場所もあった。
上空には、自衛隊のヘリコプターが低空飛行している。
日の出を迎え、多くのヘリが捜索・救助活動を再開したようだ。
さらに迂回を続けてたどり着いたのが、ここだった。
市街地が完全に水没している光景に、言葉を失った。
巨大なホースは、排水用のものだった。
国土交通省が所有する災害用の特殊ポンプ車により、24時間体制で排水作業が進められていた。
浸水域の周辺には、全国からかき集められた国交省の特殊作業者がズラリと並ぶ。国交省も本気だ。
上空には、防災ヘリや警察ヘリが飛び交っている。
警察のバイク隊も、見回りに来ていた。
鬼怒川の決壊現場からは10キロ以上離れているが、とりあえずここから歩いてみることにした。
というか、これ以上、車で北進することは不可能だった。
生垣に出来た線を見ると、昨日よりも50センチぐらいは水位が下がっているようだ。
災害派遣の自衛隊に出くわした。
浸水した道路を歩いて、要救助者の捜索をする自衛隊員。
上空にも、複数のヘリが低空で飛んでいるのが見える。
国交省による排水効果のためか、北から南に向かって水流ができていた。
動画:鬼怒川決壊により浸水した茨城県常総市の市街地の様子
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