岐阜の路面電車
 2.最後の夜
   最後の夜(2)








続いて、折り返し最終忠節行きとなる電車が入ってきた。
この電車が、岐阜市内線最後の営業列車となる。



最終電車に乗り込んだ。
多くのフラッシュを浴びながら、長い警笛を鳴らし発車した。



車内では、カメラで撮影する人、思い出話をする人、一人で泣いてる人、形は違えどみな別れを惜しんでいるようだった。



終点が近づいてくると、乗客の数も少なくなってきた。
忠節橋を出て最後の忠節駅に近づくと、運転士から放送が入った。
「この列車をもちまして、岐阜市内線の営業を終了させていただきます。
永らくのご利用、誠にありがとうございました。」
車内では、自然と拍手が起きていた。



終点の忠節駅に着く。
駅員が、最後の乗客を出迎えていた。
様々な思いを胸に、電車を降りる人たち。



駅のシャッターを下ろす。



これでもう、この駅に乗客が来ることは二度とない。



発車するときに見た、あのテープの言葉と同じ気持ちになった。
94年間ありがとう 岐阜のチンチン電車



 ・消えゆく風景 市内線の撤去工事(1)





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